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古代から人類は、歯の病気に悩まされてきた。歯の悩みがあるから、そこに歯科医療は立ち上がる。連載『歯科医学の系譜』では、これまでの歯科医学・歯科医療が歩んできた足あとを辿り、こんにちの歯科医療に結びつくまでの系譜を紐解いていく。

日本の最初の開業歯科医、ご存知?

日本の歯科医療は、アメリカの影響を大きく受けている。明治維新の際にアメリカから歯科医学・歯科医療が我が国にも流入した経緯がある。

日本で最初に歯科診療所を開業したのは、アメリカ人歯科医師のW.C.イーストレーキだ。イーストレーキは、1865年9月27日に、Glengyle号という船でアメリカから来日した。これはちゃんと記録が残っているらしい。そして、同年10月9日より、現在の横浜市内で歯科診療を開始している。日本で最初の歯科医院の場所は、横浜の108番だったようだ。

慶応2年5月7日付の『海外新聞』には、イーストレーキの歯科治療についての記事が掲載されている。まだ江戸時代まっただなかの新聞記事だ。その内容は、「骨あるいは象牙蝋石にて造りしに非ず、セトモノに類せし金で造りし故、持甚宣敷つやなど天然の歯に異ならず」というもの。天然歯に似せたセトモノや金属を用いて修復治療などを行っていたことが、この新聞記事からうかがえる。

横浜から全国へ

現在の日本の歯科医院の数は、68,592件(平成26年)だ。週刊誌などでは「コンビニより多い」などと揶揄されるほど街中で目に入る歯科医院だが、その最初の一件は、アメリカ人歯科医師により開業されたものだった。

あれから152年という歳月を経ながら、現在の我が国の歯科医療の形は形作られてきた。歴史を振り返るたび、これから100年、200年の未来へと受け継がれていく歯科医療を、現代から発信していきたいと思えるのである。

参考文献

  1. 大野粛英(歯の博物館館長)『わが国近代歯科医学の祖・W.C.イーストレーキの来日年度と開業地を検証する』

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