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前回の続き である財務の話に戻りますが、 財務とは?と言われた場合、なんとお答えになるでしょうか?財務とは、いわゆる「お金の入と出」ということです。

では、決算書とは? と言われた場合はいかがでしょうか?「医院の通信簿」という言われ方もよくすると思いますが、決算書とは「院長の通信簿」とも言われています。

経営者から見た「お金」のホンネ

第二回の連載 で「儲かっているのにお金がない」という企業が多いという話をしましたが、それ以外に経営者からよく聞く声としては下記のような声があります。

  • 借入が多くて経営が苦しい
  • 収入が減っているのに返済が減らず先行きが見通せない
  • どんぶり勘定だけれど今は順調、でもこのままでは不安
  • 経営者同士集まっても台所事情は話さないので、本音が知りたい

いずれも、漠然とした不安を抱えてらっしゃる方が多いです。木を見て森を見ず、とならないように、ミクロだけで見るのではなく、マクロな視点で見ることが大切です。

クリニックの中を流れるお金のメカニズムを把握することによって、何をすればどうなるのか、の因果関係がはっきりすれば、多くの場合不安は消えるものです。

歯科医院経営: 賃借対照表, キャッシュフロー

医院経営のお金のメカニズムを解説

経営において、「お金がどのように流れて、どのように通帳に残るのか」は大切な視点です。

貸借対照表で言えば、「現金および預金」が一番大切なのですが、やはり多くの経営者が一番気にして見るのが、損益計算書の「利益」です。もっというと、それにより支払うことになる「税金」を気にする方が多いです。

税金の話はまた後ほどするのですが、当然ながら、利益を出すことは大事です。利益は何のために必要かと言えば「継続」するために必要というお話もさせていただきました。

損益計算書は、利益の構造を示すものですが、それを確認するだけではなく、利益を最大化していくことがもちろん大切になります。

医院経営で「利益を最大化する方法」は?

では、利益を最大化する方法は何か。これは二つだけです。

  • 固定費という額を減らす
  • 粗利益という額を増やす

では、粗利益を増やす方法は?と言えば、これもまた二つです。

  • 売上を増やす
  • 変動費を下げる

確かに売上を上げることは大切なことですが、売上を増やすことは粗利を増やす手段の一つでしかないので、もっと大切なことは利益を増やすこと、きちんと現金を残すということになります。

そしてそれをしていくときに大切になるのは、実は損益計算書(P/L)よりも、貸借対照表(B/S)です。このクリニックは大丈夫だろうかと判断されるのは、主に貸借対照表によってです。

貸借対照表からわかることは下記のようなことです。

  • 今いくらキャッシュがあるのか
  • これまでの経営で利益を積み重ねているのか
  • 借入金は過剰になっていないか

過去の経営だけではなく、未来を見ていくときにも、貸借対照表から予測できるので、事業投資の判断がしやすくなる、余計な経費を使わずに済む、などのためにも利用できます。

歯科医院経営: 賃借対照表, キャッシュフロー

税金・節税についての誤解

税金の話に少し戻りますが、「税金を払うのはもったいない」という経営者は多いです。そういう経営者が多いので、「利益が出たので何か購入して節税しましょう」という税理士も、必然的に多くなるのですが、そもそもその考えが本末転倒であることに気付かれるでしょうか。

繰り返しますが、クリニックで一番大事なのは現金・預金です。利益が出て、たくさん現金が残りそうなのに、税金を安くするためだけの節税で、大切な現金を減らしてしまっていることになります。

そもそも、税金を払いたくない心理としては、税金を払ってお金を減らしたくないから、ということのはずです。ところが、不要なものを買ったり、無駄に保険に加入したりするなどしてお金を使う間違った節税対策で、その節税効果以上にお金が減って、気づいたら「お金がない」という状況になっていることもよくあるのです。

それだけではなく、当然財務も悪化しますので、それによって信用格付けが下がり、融資を受けづらくなる、という悪循環が生まれる可能性もあります。

もちろん、利益を生むための資産の購入にお金を使うことは大切なことです。利益が出たときには、さらに利益を生むための資産に投資するか、もしくは税金を払い、借入を返済してもなお現金が残せるか、ということを見極めて、有効な使い途を検討していただきたいと思います。

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