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歯科医師臨床研修は、主に卒後ゼロ年目の歯科医師に対して、平成18年から必修化された。医療機関の開設や運用を規定している医療法の第七条によれば、臨床研修歯科医師でなければ、歯科医院を開設する際に都道府県知事の許可が必要だ。臨床研修を修了した歯科医師であれば、歯科医院の開設10日以内に届け出ればよい。

原則として、というよりも現実的には、歯科医師として診療に従事するためには、歯科医師国家試験に合格して歯科医籍に登録されたら、臨床研修を修了しなければならない。臨床研修をしていない歯科医師を雇用する歯科医院が多くあるとは思えない。

歯科医師臨床研修の仕組み

歯科医師臨床研修を統括しているのは、一般財団法人歯科医療振興財団という団体だ。歯科医療振興財団は、歯科衛生士や歯科技工士の国家試験や登録も担っている。厚生労働省と文部科学省、日本歯科医師会、日本歯科医学教育学会などと協力し、臨床研修のカリキュラム立案や修了認定、指導歯科医講習会などを行っている。

臨床研修を受ける歯科医師が、どの医療機関で臨床研修を受けるかは、歯科医師臨床研修マッチングプログラムというシステムで決定される。

臨床研修歯科医になる予定の参加者は、歯科医師臨床研修プログラム検索サイト・D-REIS などで臨床研修施設を検索し、マッチングシステムの独自のアルゴリズムによって臨床研修施設とマッチングされる。そのマッチングのアルゴリズムは こちらのサイト で図解されている。

歯科医師臨床研修施設は増加傾向

歯科医師臨床研修施設の数は、平成18年度の必修化以降、一度も減ることなく増加している。平成18年度の臨床研修施設数は1466件であったが、平成27年には2481件となっている。この増加を牽引しているのは主に協力型臨床研修施設で、当時と比べて1166件から2069件と、倍近く増加している。

歯科医師臨床研修施設数

充足率(募集数/合格者数)は平成18年以降100%を常に超えており、歯科医師国家試験の合格率が大きく減少した平成26年からは、180%程度を推移している。

歯科医師臨床研修の充足率

歯科医師臨床研修制度、これまでの歩み

歯科医師臨床研修は、昭和61年に厚生省(当時)に設置された「将来の歯科医師需給に関する検討委員会」の提言を踏まえて制度化された。

翌年の昭和62年に一般歯科医養成研修事業として、卒後1年間の臨床研修が実施されるようになった。その後、平成8年には歯科医師法が改正され、1年以上の歯科医師臨床研修が努力義務となり、平成18年4月より必修化が開始された。

近年は、研修の到達目標やプログラム、指導・管理体制などのアップデートが、歯科医療振興財団など諸団体によってなされている。

ベーシックな術式の習得に臨床研修は必須

歯科医師臨床研修の基本理念は「歯科医師が、歯科医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、歯科医学及び歯科医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身につける」ことだ(歯科医師法第十六条の二第一項に規定する臨床研修に関する省令)。

歯科医療は日進月歩だ。新しい術式や治療法のために日夜研究が行われており、日々高度化・専門化していく。それは歯科医療だけでなく、医学の宿命であり、避けられない流れである。

術式が高度で複雑になってきた今日の歯科医療においては、ベーシックな診療に適切に対応できる歯科医師の育成という歯科医師臨床研修の理念が、ますます重要になってくるのではないだろうか。

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