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歯科界のトップを走るドクターに仕事の極意を学ぶ「一流ドクターの仕事術」。今回は、千葉県浦安市で開業している医療法人社団 栗林歯科医院理事長、栗林研治先生にインタビューしました。

栗林 研治(くりばやし・けんじ)医療法人社団栗林歯科医院理事長。2003年日本歯科大学歯学部卒。2009年ニューヨーク大学CDEプログラム(審美、インプラント)を卒業後、千葉県浦安市に医療法人社団栗林歯科医院を開業。経営の傍ら、ウィーン大学補綴科に通い、顎関節を含めた包括的診療を学ぶ。現在、東京西の森歯科衛生士専門学校歯周病科講師を勤めながらMID-G理事に就任する。
  • 居住地:東京都新宿区
  • 開業年:2009年
  • ユニット数:13台
  • スタッフ数:38人(うち歯科医師12人/歯科衛生士6人)

ウィーンで掴んだ診療哲学

ーー開業してすぐ、東日本大震災がありました。

私が浦安市に栗林歯科医院を開業したのは2009年、31歳の時です。患者さんも増えて、医院も順調に拡大していた2011年3月、東日本大震災が起きました。液状化や放射線の風評被害で、浦安市には大きな傷跡が残りました。

震災から2ヶ月間、ほとんど患者さんが来ませんでした。そうなると当然のごとく、潰れかけるわけです。スタッフに「私たちどうなるんですか?」と言われても、「大丈夫だ」と答えられなかったのがすごく辛くて。

ーーその現状をどう打破したんですか。

そんな状況のなか、ウィーン大学補綴科に留学しました。私が学んだのは、診査・診断と、全体の治療計画の立て方。

患者さんをしっかりと治すためには、むし歯・歯周病・かみ合わせという3つのキーワードを組み合わせた「包括的治療」を目指さなければなりません。

日本の大学には包括的治療の視点が少なく、特にかみ合わせの視点がありません。私の場合、それをウィーンで学んでから診療に対する姿勢が変わりました。

ーーかみ合わせというのは、矯正治療ですか。

若手歯科医師から「これから何を勉強したら良いですか?」と質問されることがありますが、間違いなく矯正だと思います。

日本では矯正治療は専門医の仕事だと思われがちですが、ヨーロッパでは一般開業医でも矯正治療をしています。彼らに「専門医に紹介しないのか」と質問すると、「矯正しないと患者さんは治らないよ」と。

今後、地方の場合は特に、自分で矯正治療をして包括的治療を目指すことが重要になってくると思います。

経営者は「人を育てる」

ーー経営者として心がけていることはありますか。

歯科医師としての技術があったからと言って、良い経営者にはなれません。歯科医師であることと、経営者であることは分けて考えなければならないと思います。

みんな、臨床家としての延長線上に、歯科医院の院長があると思っている。でも実は、全然ベクトルが違います。臨床家とは別に、経営者・リーダーシップの勉強が必要です。

経営者としては「人を育てる」ということを、ずっと心がけてきました。

ーースタッフの人材育成ということですか。

それだけではありません。スタッフだけでなく患者さんも育てなければならないし、自分も成長しなければならない。

一番最初は、自分を育てることです。目標を持って、自分を変えていくこと。スタッフや患者さんはなかなか変えられないので、自分から変わるしかないわけです。

スタッフも患者さんも、自分もまた「人」なので、それを育てていく。それが私のテーマになっています。

目指すは「世界一安心安全な歯科医院」

ーー臨床家、経営者、教育者のバランスをどう取っているんですか。

色々なことをやろうとすると、時間が足りなくなります。でも、時間は作っていくものです。私の場合は、すべて事前に「決める」ということを意識しています。

毎年12月23日に、来年1年間のスケジュールを決めています。仕事もプライベートも、全部とにかく決めてしまう。その都度決めていたのでは相当な時間がかかってしまい「いつかやりましょう」と流れてしまいます。

臨床家、経営者、教育者としての自分のスケジュールを決めていくと、時間が作れます。大切なことに時間を使っていくことは、自分のなかで非常に意識しています。

ーー栗林歯科医院が目指す、最終的なビジョンは。

栗林歯科医院が目指しているのは、「世界一安心安全な歯科医院の実現」です。このビジョンをスタッフみんなで共有して、同じ場所を目指していくことが大切です。

これは、治療技術だけの話ではありません。スタッフ一人ひとりが患者さんのために切磋琢磨して、みんなで同じ目標に向かっていくことが、「世界一安心安全な歯科医院」を作ることにつながっていくと考えています。

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