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人口構造や医療ニーズの変化に伴い、歯科医療を取り巻く環境は、めまぐるしく変わっていく。かつて「むし歯の洪水」とまで呼ばれた時代と比べ、乳歯のう蝕は著しく減少した。その一方で、高齢者や有病者に対する歯科治療や歯周疾患の予防・対策などのニーズは増加している。

厚生労働省は、2015年から継続的に「歯科医師の資質向上等に関する検討会」を開催し、有識者間で議論を深めてきた。同検討会では歯科医師の需供問題や女性歯科医師に関する問題、歯科医師の専門性などのトピックが主に課題として挙げられており、それぞれ解決策が検討された。

今日の歯科医療には問題が山積しているが、これらを解決するためには、ビジョンが必要である。歯科医療が進むべき基本的な方向性を提示することを目的として、厚生労働省はこの度、同検討会の中間報告として『歯科医師の資質向上等に関する検討会中間報告書 ~「歯科保健医療ビジョン」の提言~』を取りまとめ、公開した。

歯科医療、今後のニーズはどう変わる?

まず前提として、歯科医療のニーズは日本全体の人口動態に大きく影響を受けると考えられている。先述のように、小児のう蝕は予防歯科の充実により減少しており、今後は歯科疾患の予防や機能回復に関するニーズが増加すると予想される。

特に高齢者に対する歯科治療は、口腔内や全身の健康状態など個体差が大きく、歯科医療の提供場所や治療内容が多岐にわたるため、専門性が高くニーズが大きい。

具体的に言えば、根面う蝕や歯周病といった疾患への対応はもちろんのこと、オーラルフレイルに対する支援といった、「日常生活を支援する」という視点が求められているのが現在の歯科医療ニーズの特徴だ。

また、厚生労働省は同報告書内で、居宅や介護施設等訪問歯科診療は当面ニーズが増えるとの見通しを立てており、財政措置が必要と結論付けている。

今後の歯科医療ニーズの話題では高齢者ばかりに焦点が当たりがちだが、重要なのは各ライフステージごとに寄り添う歯科医療である。

小児に対しては予防歯科のさらなる充実や、口腔機能の健全な成長・発育に関する大きなニーズがある。成人では歯周疾患の予防・重症化予防に加え、機能回復のニーズが考えられる。

ニーズ多様化の時代、歯科医院にできること

こうした背景をふまえ、厚生労働省は「歯科医療のニーズが多様化している」と同報告書内で指摘した。

その上で、多様なニーズに対応する歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士といった歯科医療従事者が柔軟に働くことができるよう、勤務形態を見直すことも必要であると提言している。

今後も1Dニュースでは、「歯科医師の資質向上等に関する検討会」での議論をお伝えしていく。

参考文献

  1. 『歯科医師の資質向上等に関する検討会中間報告書 ~「歯科保健医療ビジョン」の提言~』厚生労働省, 2017.12.(URL

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