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女性が活躍しやすい社会作りは、日本経済にとって極めて重要な課題である。

歯科業界においても、女性歯科医師の活躍が叫ばれている。日本歯科医師会は女性歯科医師の活躍に関するワーキンググループを2015年から開催しており、活発に議論がされている(参照:厚生労働省Webサイト)。

女性歯科医師の現状

女性歯科医師が置かれている状況は、理想的とはほど遠い。妊娠や出産、育児などによりキャリアが中断され、歯科医師としての仕事と生活とを両立しにくい状況がある。だから、女性歯科医師も男性歯科医師と同じようにキャリア形成が認められる環境を整備するという方針が、厚生労働省や日本歯科医師会の立場だ。

今回の記事では、まず厚生労働省や日本歯科医師会が調査・公表しているデータに基づいて、現在の女性歯科医師はいったいどのような立場に置かれているのかを、解説したいと思う。

女性歯科医師数の推移

医師・歯科医師・薬剤師調査によると、平成26年での女性歯科医師数は23,428人で、歯科医師全体の総数に占める割合は22.5%であった。この割合は年々増加しており、20年前の平成6年と比較すると、女性歯科医師の割合は1.5倍増加している。

さらに、歯学部に入学する学生に占める女性の割合の増加が近年顕著だ。文部科学省の調査結果によると、平成26年度では歯学部入学者の41.6%が女性である。東京歯科大学や大阪歯科大学など、平成26年度の入学者のうち女性の割合の方が多い歯学部もある。

したがって今後、歯科医師全体のうち女性歯科医師が占める割合が増加していくことは自明であり、歯科医院の管理者や指導歯科医、歯科医師会の役職にも、必然的に女性の割合は多くなっていくだろう。

女性歯科医師は勤務医に多い

医師・歯科医師・薬剤師調査のデータでは、女性歯科医師は歯科医院の開設者ではなく勤務医に多いとされている。平成26年のデータで、男性歯科医師のうち69.5%が歯科医院の管理者である一方で、歯科医院の管理者になっている女性歯科医師の割合は23.0%にとどまった。

平成25年度に厚生労働省が行った歯科医師臨床研修修了時アンケートによると、研修修了したばかりの歯科医師に「10年後の働き方」を聞くと、男性歯科医師が歯科医院の開業を志す一方で、女性歯科医師は勤務医を志す割合が高かった

女性歯科医師もキャリアを築きやすい環境を

急速に女性歯科医師の割合は高まってはいるものの、現状では性別役割分担意識などを背景として、キャリアを中断せざるを得ないような状況にある。

女性のキャリア形成について、歯科業界も以前よりは理解が進んできたとは聞くものの、いまだ他の分野に遅れを取っているのが現状だ。厚生労働省や日本歯科医師会が先導を切って、さらなる環境の整備が望まれる。

今後も1Dニュースでは、女性歯科医師に関する諸問題を取り上げていく。

参考文献

  1. 日本歯科医師会・女性歯科医師の活躍に関するワーキンググループ『女性歯科医師の活躍のための環境整備等に関する調査報告(概要)』, 2016.
  2. 日本歯科医師会『歯科医師会における男女共同参画等に関するモデル意識調査報告書』, 2010.
  3. 厚生労働省『平成26年度医師・歯科医師・薬剤師調査』, 2017.

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