厚生労働省は、国民のニーズに応じた質の高い歯科医療を提供するため『歯科医師の資質向上等に関する検討会』を定期的に開催している。同検討会では、歯科医師の需給問題や女性歯科医師の活躍といった議題に関して、各分野の専門家が集まり議論が重ねられている。

今回の記事では、その議論の過程で出された「これからの歯科医師に求められる要素」を取り上げる。同検討会が重要視する、歯科医師に必要なことは以下の4つだ。

  • プロフェッショナリズム
  • 主体的に自己研鑽をする姿勢
  • 専門性や高度なスキルの習得
  • 歯科医療に関する情報の発信力

これらの要素は、国が指し示す今後の歯科医療の方針に基づいて検討されたものだ。それぞれの項目について、詳しく解説をしていこう。

プロフェッショナリズム

プロフェッショナリズムは、歯科医師として診療を行ううえでの基本的な資質・能力である。臨床スキルや知識のみならず、倫理観やインフォームド・コンセントを重視する能力が歯科医師には必要だ。

同検討会では、プロフェッショナリズムの能力を確保するため、歯学部の入学定員や選抜基準の適正化が欠かせないと強調している。歯科医師国家試験の合格率に象徴される、歯学部を擁する大学間での格差を是正し、歯科医師養成機関の質の向上が求められる。

主体的に自己研鑽をする姿勢

さまざまな産業が変動の時代を迎えており、歯科医療業界も例外ではない。変化し続ける歯科医療を取り巻く環境に、自分自身をアップデートしていくためにも、主体的な自己研鑽は必須である。

同検討会は、年齢や経験年数、勤務形態に関わらず、歯科医師としての生涯にわたり臨床スキルやプロフェッショナリズムの研鑽を重ね続けることを求めている。

1人開業医が多い歯科医療業界では、仕組みとして自己研鑽ができる場所が非常に少ない。一方で患者は自己研鑽を続ける歯科医師に診療してもらいたいと思うだろうし、全身疾患を持つ患者さんの治療など、歯科医師に求められる知識レベルも上がりつつある。

これからの歯科医療業界においては、主体的に自己研鑽ができる歯科医師、自分自身を常にアップデートできる歯科医師が生き残っていくと予測されている。

専門性や高度なスキルの習得

我が国は未曾有の超高齢社会に突入して久しく、その社会情勢に伴い歯科医療も激動の時代を迎えている。

超高齢社会では、歯科医師にはより高度な知識・スキルが求められる。具体的に言えば、日常生活の自立度や慢性疾患などによる全身状態が複雑な患者さんに対応する機会は、今後は日常臨床でも増えてくるだろう。

訪問歯科診療における「使用できる器材が限定される場面での歯科診療のスキル」といった、それぞれの歯科医師の専門性を向上させることが必要である。

歯科医療に関する正確かつ適切な情報の発信力

歯科医師は、正確で適切な情報を患者さんに発信することが求められている。歯科医師が適切な歯科医療に関する情報を発信することは、歯科医療に対する信頼を高め、国民・患者さんのデンタルIQの向上にも寄与する。

インターネットの普及により、個人が情報を容易に発信できるようになった。こうした点で、これからの時代の歯科医師には、発信力が必要である。

将来のあるべき歯科医療の形を問う

「これからの歯科医師として求められること」を考えるために、まずは「歯科医療そのものが将来どうなるのか」を検討し、予測する必要がある。これからの歯科医療の目指すべき体制を業界内でも議論し、未来像を形作った上で、歯科医師の資質向上とは何かを定義すべきである。

詳しいことは参考文献に記載してある資料に書いてあるので、興味のある方は議事録を追ってみるのも良いかもしれない。

参考文献