第1回がサイト制作時に注意すべきこと第2回がサイト完成後に改善のため各種データを取得することの重要性について、説明しました。

最終回の第3回は、歯科医院の集患におけるネット広告についての話をしていきたいと思います。

歯科医院で利用するネット広告の種類は?

歯科医院サイトでの集患を考える場合、ネットでの広告配信は有効な施策で、大まかに以下の5つのタイプの広告に分かれます。

  • ①検索広告(リスティング広告)Google広告 / Yahoo!広告 / Google AdWords Express(※)
  • ②ディスプレイ広告(バナー広告)Google広告 / Yahoo!広告
  • ③SNS広告:Facebook / Twitter / Instagram
  • ④動画広告:YouTube
  • ⑤その他(歯科関係サイトへの広告出稿)

Google AdWords Express:Google広告より手軽に始められますができることに制限がある広告

以下、その他以外の内容について、簡単に説明していきます。

①検索広告(リスティング広告)

GoogleYahooで検索をしたときに表示される広告で、ほぼすべての業種で最初に手をつけるべき広告です。

とりわけGoogle広告の場合、Google Mapにも広告が表示されるようになり、その広告もGoogle広告を登録し、Google My Businessの登録をすることで表示させることができます。

したがって検索広告は、ネット広告を考える際、優先して考えるべき広告配信方法になります。

また、保険診療の集患の場合、検索広告以外のネット広告は、相当高い確率で赤字になると思います。

②ディスプレイ広告(バナー広告)

画像の広告のことで、GoogleYahooの場合は、ユーザーの興味に応じて、表示させる広告を出すことができるようになっています。

たとえば、医院開設を検討されている方が、医院候補地を検索サイト経由で不動産サイトに訪問すると頻繁に不動産関係の広告が表示されたりするもので、ECサイトなどはこの広告を上手に使って成果をあげています。

バナー広告を利用されている医院もありますが、Googleの規約上、医療関係はディスプレイ広告の機能をフルに使えないため、検索広告ほどオススメできません

③SNS広告(Facebook / Twitter / Instagram)

SNS広告は、FacebookTwitterInstagramなどのSNSサービスに広告を配信するものです。

こちらも歯科医院で広告配信をされている医院を見かけますが、自費診療かつ患者層が若い場合は、可能性があるかもしれませんが、インプラント広告を某SNSで数回配信させてみたことがありますが、あまりの成果の悪さで

SNSの場合、定期的に医院の活動を投稿して、医院の雰囲気を伝えて集患に結びつける動きをするのは良いと思いますが、広告配信するのは相当な勇気が必要になります。

④動画広告(YouTube広告)

動画広告は、YouTubeCMを配信させるものですが、私自身医院のCM動画が配信されたのを見たことがありません。

現時点でYouTubeに動画広告を配信させている医院はほぼ存在しないと思いますが、治療動画を投稿している医院は多くなりました。

動画を視聴した方からのお問い合わせはあると思いますし、今後は歯科医院の集患でも重要な位置を占めるサービスになると思いますが、YouTube広告配信については、自費診療の集患のためにTV CMを行なっているような大きな医院か、動画編集をご自身でできる医院以外は手を出さない方が無難だと思います。

どうしてもYouTubeで集患してみたいと考える場合、まずは、治療動画の投稿に注力されることをおすすめします。

各広告を大雑把にご説明しましたが、歯科医院の場合、検索広告を出稿することをオススメします。

広告の出稿前に決めておくべき6つのこと

ネット広告をやろうと思うと簡単に始めることができますが、最低でもこれから説明する内容を事前に考えておきたいところです。

なお、ここでは言及しませんが、第2回『歯科医院サイトで効率的に集患するための「Google Analytics」の使い方』で話をしたデータ取得のための設定が重要なのは言うまでもありません。

①集患したい患者層を決める:治療項目だけ決めればOK

ここではマーケティングの教科書に載っているようなことではなく、単に、一般歯科、矯正歯科(インビザライン)、インプラントなどどのような治療項目を検討されている患者さんを集患したいか明確にできれば十分です。

②広告予算を決める:自費の場合は売上0円も覚悟すべし

広告代理店が、○○医院で○件獲得!など輝かしい成果を掲げているサイトや獲得件数が右肩上がりになっている営業資料をご覧になったことがある方もおられると思いますが、あれは奇跡的に良かった数字やそれらしい数字をグラフにしているだけで、空想の世界の出来事と思った方が良いです。

一般的には毎月上下変動しますし、特にネットで自費診療の集患を検討される先生の場合、月の獲得患者数0件もあり得るという前提で予算を考えることをオススメします。

参考として、色々なサイトで語られている歯科関係の患者1名あたりの獲得単価をまとめると以下のような数字になります。

  • 一般歯科:5千円~1万円
  • 矯正歯科:2万円~3万円
  • インプラント:5万円以上

インプラント集患をした経験すると、こちらの自費診療獲得単価は予約1件あたりの単価だと思いますが、昨年あたりからネット広告も競争が激しくなり、この単価では難しいかもしれません。

また、予約から検査 -> 診断 -> 見積と続き、最終的に治療することになりますので、治療した人の獲得単価となるとさらに上がることになります。

③広告種類を決める:Google広告がオススメ!

種類については簡単に触れましたが、検索広告がオススメです。

治療を考えて歯科医院を検索している人は、早く治療を受けたいと考えている人が多いはずなので、検索結果やGoogle Mapに表示されるGoogle広告の検索広告をオススメします。

予算が少ない場合は、Googleの検索広告一択です。Google広告の検索広告をやっても予算が余る場合や医院名を検索しても上位に表示されない場合は、Yahoo!広告の検索広告の利用も検討された方が良いでしょう。

④広告配信地域を決める:患者の8割が埋まるエリアで配信する

広告の配信地域ですが、現在の患者の80%が埋まるエリアだけで広告を配信するのが良いと思います。それを超えて広告配信範囲を広げると獲得単価が増えるなど無駄な広告費を使う可能性が高くなります。

ライバルの医院が全国から患者様が来院されていますとサイトでアピールしている、または、過去に自院でも遠方にお住いの方が来院されたことがあるからと言って、あまりにも広範囲で広告配信をするのはやめましょう。たいてい金の無駄になります。

⑤広告配信時間を決める:予約の手段に応じて変えるべし

広告の配信時間ですが、24時間ネットで予約までできる医院の場合は、24時間広告配信をしても良いと思います。

しかし、電話やメールだけで予約を受け付けているという医院の場合は、診療時間中だけ広告配信をした方が、無駄な広告費を使わずに済むはずです。

⑥登録キーワードと広告文言を決める:定期的な見直しが必須

検索広告は、ユーザーがGoogleでキーワードを検索したときの結果画面に表示される広告なので、配信するためにはキーワードを登録しておく必要があります。

キーワードの登録を広告代理店に任せる場合、サイトアクセス数を多くするためなのか、大量のキーワードを登録して、いろんなキーワードで広告表示させる傾向があります。

反対に、キーワードを絞り込むと前者とは反対の傾向になりますが、上手に絞り込むと無駄な予算を使わないですむことが多いです。

私のオススメは、まず絞り込んだキーワードを配信させてみて、予算が余れば徐々にキーワードを増やしていく方法です。

登録するキーワードについて、キーワードが思いつかない場合、患者に質問されることが多いことなどを考えてみたり、関連キーワード取得ツールを使ったりして、キーワードを考えてみましょう。

広告文言は、Google広告・Yahoo!広告でルールがあり、ルールに沿った広告文言を作ります。慣れないうちは、他の地域の歯科医院の広告文言を真似たものを作り、患者さんが治療をする決め手になった事項などを広告文言に入れてみると良いでしょう。

キーワード・広告文言に関して、重要なのは、広告文言は1回作ったら完全放置ではなく、結果をみて新しい広告文言を追加するなど試行錯誤していくことです。

これができるかどうかがネット広告の成功を左右します。

【登録キーワードと広告文言を決める上での参考サイト】

広告を始めても、すぐに良い結果は出ない

ネット広告を始めてすぐには良い結果は出ません。

検索広告の場合、①余計なキーワードで広告が配信されたり、②検索キーワードと表示される広告にズレがあったり、③広告をクリックした先の自医院のサイトが検索キーワードや広告文言で期待される内容とズレが発生したりします。

①は、「歯医者 ヤブ医者」と検索したのに、「新宿で歯のことでお悩みなら○○歯科」という広告が出てしまうものです。ヤブ医者と検索して表示された広告で治療を受ける人は限られると思います。

②は、「インプラント 新宿」と検索したのに、「銀座で歯科矯正なら○○歯科」という広告が出てしまうものです。新宿で治療を受けたい人に銀座で治療を受けましょうといったり、インプラントと検索しているのに、歯科矯正をアピールしても、成果は出ません。

③は、検索では歯科矯正に関係するキーワードと広告を出していたのに、誘導先の自医院サイトのページ内容がインプラントのことばかり言及しているページでしたら成果は出ません。

極端な例をあげましたが、単に広告を配信させただけでは上記のような問題が解決されず、あまり成果はでないと思います。

そのため、キーワード設定(除外設定含む)・広告文言・誘導先(ランディングページ)などの調整を繰り返すことが、より成果が出るようにしていくためには重要となります。

結局、キーワードと広告文言、広告文言とサイトの内容が1つの流れとなって繋がるとお問合せが増えるようになりますので、そのための試行錯誤が重要です。

業者に頼るべき?使うとしたら予算相場は?

ネット広告を広告代理店(業者)経由で行うべきかどうかですが、Googleで広告を配信させること自体はそれほど難しいことではありません。

しかし、これまで解説してきた内容をすべて院内でできない場合は、代理店を使った方が良いかもしれません。

一般的な代理店の報酬は、広告費の20%が相場とされています。広告費が5万円の場合、代理店の報酬は1万円ということになります。広告費の最低金額などを設定している代理店もありますので、その点は注意が必要となります。

また、どこまで面倒を見てもらえるのかも注意する必要があります。

仮にGoogle広告の配信を依頼する場合、単に広告の運用といっても、①コンバージョン(成果)タグの設定(成果の計測)など初期設定、②広告キーワードの提案・変更・その他設定、③広告文言の提案・変更、④毎月1回のレポート提出などが一般的な代理店の報酬の中身で、広告配信の結果を受けて医院サイトに関する提案や作業などは別途ご相談というのが一般的だと思います。

歯科医院ホームページ制作のポイントまとめ

3回に分けて、サイト集患で大切なことを大まかに解説してきました。ポイントは以下の通りです。

  • サイト:医院の雰囲気や医院の得意な分野などがわかるサイト作り、そして、サイト自体が使いやすい(わかりやすい)ことが大切
  • データ取得:正確なデータが取れなければ何やっても無駄
  • 広告:広告配信して終わりでなく、配信後のチェック・変更など最適化が大切

実際に①~③(広告をやっていない場合は①~②)ができていない医院が多いので、この点を注意して普段から医院のサイト運営をしていただくだけでもサイト経由の患者様は増えていくと思いますので、せひ、挑戦してみてください。

サイト集患での売上の目安ですが、広告費の多少やチラシ・TV CMなど他の媒体との連動の有無により変動はありますが、首都圏・大阪・京都・兵庫でTV CMやチラシなどせず自費診療のネット広告だけを真剣に取り組んだ場合、年間1,000万円~4,000万円程度の売上でしたら達成できると思います。

これ以外の地域でも人口によると思いますが、上記売上の50%75%程度なら達成できる可能性はあると思います。

最強の集患施策「紹介」を駆使しよう

ここまで長々とサイト集患の話を続けてきておきながら、最後の最後で身もふたもない話をしますが、歯科医院にとってサイト集患以上に重要な集患方法が存在します。

それは『紹介』です。紹介の重要性をインプラントの集患を例にして説明しますと…。

ネット広告の場合、仮に約40万円の広告費を使い15名の予約を取ったとしても、実際に来院される方がそのうちの○○%、実際に治療される方が来院された方の○○%で、最終的に患者になって治療するのが58名程度になってしまうと思います。

治療費(売上)1名あたり2.5本を埋入するとして、上部構造も含めて1本あたり35万円として計算すると400万円~700万円になります。この例の場合は、売上の5%10%が広告費となりますが、世の中そんなに甘くなく、患者0名ということも当然起こり得ます

それに対して、紹介の場合、広告の場合よりも上述の○○%の数字がネット広告経由と比較して明らかに良い数字になります。

しかも、無料(プレゼントをあげても良いですが、サプライズで贈るべきで、行動経済学の本を読んでいただければ事例が出ていると思いますが、プレゼントの内容や金額を事前に教えるとろくなことがないです)。

そのため、費用面だけを考えても、医院全体で患者様から紹介をしてもらうための努力を優先された方が歯科医院経営を考えると賢い選択だと思います

ちなみに、お手伝いしていた医院の場合、紹介カードを作り、これを患者様に渡して、紹介をお願いするように医院の方が対応されただけで、紹介患者が2倍から最高3.5倍まで増えていたと記憶しています。

その結果、全員がインプラントの患者と仮定して、前述の1名あたりの治療費を当てはめて試算した場合、月平均約250400万円程度の売上増加した可能性があることになります。

紹介カードを作る程度ならそれほど費用はかかりませんし、カードを渡す相手を医院として好ましい患者様限定で渡せば、ちょっと違う患者様が来院するリスクを減らせます。

したがって、繰り返しになりますがネット広告にお金をつぎ込むなら、まずは患者様からの紹介に力を入れることが、歯科医院経営を考えた場合、絶対に賢い選択です

結局歯科医院におけるネット広告というのは、医院での紹介による集患やリコールの仕組みができて、さらに集患したいという場合に、検討すべき施策と言えるのではないでしょうか。

最後に(で、dameo氏は何をしてくれるのか?)

私の記事は、これで終わりとなりますが、1DSNS内にグループを作らせていただけることになりましたので、グループ内で本記事に関係する質問などの書き込みをしていただけましたら、可能な範囲で回答いたします。

ここまで記事を読んできて、ところでdameo氏はいったい何をやってくれるの?という疑問が湧いてくることかと思いますが、私自身はサイトの企画案作りやサイト制作者とのやりとり(価格交渉から制作依頼など)は行いますが、サイト制作自体はそれ専門の優れた方にお願いしております。

また、サイトデータ取得の設定とサイトのアクセスのデータ分析とサイトの改善、広告のデータ分析と広告の各種改善、歯科医院でいう患者の分析(より収益が上がる情報がないか患者関係のデータを分析)など2回目と3回目の記事の内容が業務領域となります。