歯科医師国家試験セミナー・イベント112回歯科医師国家試験を受験された皆様、本当に本当に本当に本当にお疲れ様でした!

112回国試は、たぶん…

(;・`Д・´)とか(;´Д`)とか

(´ ・ω・ )とか( ; ∀;)とか(゚Д゚)…

こんな感じの連続だったんじゃないかとw

インターネット上でもいろいろと話題(?)になっていたようですが、ひとことで言うと112回国試は難しかったです。

以下、私の感想を述べ、112回国試の傾向についてコメントし、113回国試に向けた対策方法について考察していきます!

112回国試の感想と傾向

112回国試の問題を見ていると、聞かれていることは過去問と同じでも、問題文を読み取ることを要求しています。読解力や応用力と言ってもよいですが、丸暗記型勉強をしている人をとにかく合格させたくないという強い意思を感じるのです。112回国試の「難しさ」の理由はここにあります。

単純知識はスマホで検索すれば瞬時に出てくる時代です。さらに、AI(人工知能)が急速に発達してきているわけですが、ヒトにしかできないことって何かというとそれは「考えること」なんですよね(もちろん最低限の知識は必要ですよ)。

皆さんも歯医者になったらわかると思いますが、わからない薬があったらネットで検索しますからね。僕も患者さんが他科で処方されている薬をタブレットで検索することはしばしばあります。

でもですね、、、検索して出てきた内容を理解できないのはマズイわけなんですよ。

というわけで、今の国試は単純知識ではなく、「中身」を聞いているということです。プロセスや論理は短期間の勉強では身に付かないので、日頃の地道な勉強が重要になってきます。

今の国試を見ていると、センター試験の問題の構造に似てきているという印象を受けます。センター試験は内容は難しくないですが、現場で考えることをちょっと求めていますよね。あとは時間配分とか読解力とかもセンター試験ではかなり重要ですが、今の歯科医師国家試験はセンター試験の問題の作りを参考にしているかもしれません。

今回気になったのは、補綴です。なぜか間接法による人工歯交換(誰もやってないだろ、こんなのw)が出題されたり、インプラントの出題が薄いなど、ちょっと疑問を感じる出題内容でした。連続で出題されていたインプラントオーバーデンチャーは一題も出題されませんでした。

もちろん良い問題も多いんですよ!例えば【112A35】です。ドーナツの真ん中のはず・・・なのに、正答率は60%程度だったようです。

【112A35】水分子の拡散現象を画像化するのはどれか。1つ選べ。

  • a. CT
  • b. MRI
  • c. PET
  • d. SPECT
  • e. 超音波検査

この問題はMRIの基本中の基本を聞く問題です。完全にドーナツの真ん中。

MRIが水分子を見ているということがわからないと、T1強調像とT2強調像の意味がまるでわかっていないということになります。

正答率60%前後の問題は合否を分ける問題ですから、この問題を即答できなかった方、意味が分からない方は勉強の方向性を修正する必要があります。

次に【112A70】です。国試史上初めてビスホスホネート製剤の休薬期間に関する問題が出題されました(紙面の都合で口腔内画像・エックス線画像は割愛します)。

112A7068歳の女性。下顎左側犬歯の補綴装置離脱を主訴として来院した。2年前から骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤を内服しているが、他に特記すべき既往歴、服薬歴、喫煙歴、過度の飲酒歴および肥満はない。左下3番は動揺と打診痛があり、排膿を認める。内科医と相談のうえ抜歯することとした。抜歯に際して行うべきなのはどれか。3つ選べ。

  • a. 術前の十分な消炎
  • b. 抜歯窩の骨鋭縁の除去
  • c. 副腎皮質ステロイド薬の投与
  • d. 周囲軟組織におる抜歯窩の閉鎖
  • e. ビスホスホネート製剤の6ヶ月間の休薬

選択肢e×です。そもそもビスホスホネート製剤の休薬期間についてはevidenceが微妙です。出題されたとしても正解にはなりづらいのです。実はスパルタ動画セミナー8回目の最後でビスホスホネート製剤の休薬期間についてコメントしていたんですけどね(まだご覧になっていない方は絶対に見てください!)。

なお、ビスホスホネート製剤、デノスマブ(=抗RANKL抗体製剤)の話は臨床上超重要ですので、113回国試でも出題が強く予想されます。ここらへんの話は、国試うんぬん飛び超えて歯医者として重要なので、よーく勉強しておいてください。

113回国試に向けたdentalkokushi的方法論

それでは112回国試の傾向を踏まえて113回国試に向けてどのような勉強をすればよいのでしょうか??dentalkokushiの考えをまとめてみました。

(ポイント1)過去問研究と地道な勉強をすること

まずは過去問研究をしてください。とりあえず過去問を解くことが大事です。

最初はよくわからない事だらけかもしれませんが、解き始めないことには話になりません。勉強方法については、歯科国試突破論の過去記事をご覧になってください。

-> 臨床問題の研究で見えた、112回歯科国試で求められる勉強法とは

-> 着々と近づく歯科医師国家試験、今すべきことはこれだ!

結論だけではなく、過程(プロセス)や論理もきっちり押さえながら地道な勉強をすることこそが合格への近道です。

(ポイント2)エア歯医者、ペーパー歯医者の言うことを信用しないこと。

近年の傾向どおり、112回国試でも実際の臨床に即した問題が多数出題されています。

臨床をしたことがない人が教えられるレベルの問題ではありません。誰かに教えてもらうのなら、講師を選ぶ権利は皆さんにあります。きちんと経歴を確認し、臨床経験(最低5年以上)の有無をチェックしましょう。

なお、「教える資格」として博士号も必須でしょう。国試の必修や一般問題は研究のトレンドもやや影響していますので、研究経験がないとピンとこないはずです(白状しますと、私は大学院で実際に研究をしてようやく疫学や免疫が理解できました・・・)。

(ポイント3)ドーナツの真ん中を重視し、基本に遡って考えること。

先日舌癌の見落としと思われる著名人の症例が話題になりましたが、口内炎と舌癌の鑑別は歯医者として極めて重要な超基本的な話です。日頃の勉強姿勢が患者さんの人生に大きな影響を与えてしまうかもしれないわけです。

どうでもよいマニアックな細かいところばかりに目が行きがちな方は歯医者になってもヤバいかもしれないので、この機会に勉強姿勢を修正して頂きたいと思います。

112回国試の問題ではないのですが、基本に遡って解く(考える)ということはどのようなことなのかを考察してみましょう。

111C6歯髄炎の痛みの上行性伝導路の一部を図に示す。

  • オ 大脳皮質体性感覚野
  • エ 視床後内側腹側核
  • ウ 三叉神経脊髄路核
  • イ 三叉神経節
  • ア 歯髄

非ステロイド性抗炎症薬が作用するのはどれか。1つ選べ。

  • a. ア
  • b. イ
  • c. ウ
  • d. エ
  • e. オ

これ、要するにCOXの発現部位を聞いている問題だったわけです。つまり、

アラキドン酸カスケード→COXこれは細胞膜の話→NSAIDsが作用するのは歯髄の細胞。だからaが答え。・・・ということです。

センター試験受けたことがある方ならお分かりでしょうけど、なんとなくセンター試験っぽいですよね(笑)

というわけで、このように基本に遡って解くことは重要かなと思います111C6は結局削除問題になっちゃいましたが)。

113回国試に向けた対策としては変わった勉強をするのではなく、地道な勉強です。

ドーナツの真ん中の確認を重点的に実行して頂き、変なひらめきではなく、基本から解くようにしていただけると点数が伸びるのではないかと思います。

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