「歯科技工士、これからどうしていくのか会議」連載4回目となる今回は、歯科技工士の興味関心や学習環境を取り巻く課題について取り上げます。

歯科医師と同様に、歯科技工士も日々新しい技術を取り入れるために、講習会・研修会などで知識や技術を取り入れています。データを基に、歯科技工士の勉強実態を紐解くと見えてきた、歯科技工士が抱える問題とは?

生涯研修制度は医療界では初

日本歯科技工士会が1986年から行っている生涯研修制度は、歯科技工の専門技術のみならず、関係法令・経営管理等、歯科技工士にとって必要な分野の講座を、現在日本各地で年間約200回実施しています。

この生涯研修制度は、歯科技工士が技工士を続けるために必要なスキルを磨き、日々進化する技術に対応できる技工士を養成する役割も担っています。

歯科技工界から始まった生涯研修制度は、現在までに歯科衛生士、社会福祉士など他の分野でも活用されているそうです。

技工士が学習できる機会は意外と多い

歯科技工士実態調査によると、歯科技工士が学習の場として最も活用しているのは、前述の生涯研修制度ですが、その他にも日本歯科技工士会広報誌、歯科技工専門誌を定期購読する技工士も多く、メーカー主催の友の会、学術大会など、歯科技工士が学ぶ場は意外と多くあります。

中でも技工士の満足度が一番高い場は、技工士や関係者などからなる「スタディグループ」でした。

一番関心のある議題を学べるということ、同じ意識を持つ技工士同士で学べるといった点が、満足度の高い理由のようです。

歯科技工士が今後勉強したい分野とは?

歯科技工士が今後勉強したい分野は、今後技工界で必要とされる(されている)分野だといえるでしょう。

データを見てみると、最も関心が高かったのは有床義歯系43.7%を占めました。以降は、CAD/CAM技工、咬合系、歯冠修復系と続きます。高齢社会でニーズが増えている有床義歯などを学び、日本の歯科医療の未来に貢献したいという想いが伝わってくる結果となりました。

一方歯科技工以外に学びたい分野としては、経営、コミュニケーション能力、異業種交流、海外の歯科技工事情といったものが並びます。経営が一番関心が高いのは、歯科技工士は自営者の比率が多いことが理由であると考えられます。

異業種交流や海外の歯科技工事情に関心が高いことも踏まえると、多くの自営者が今後の経営を考えた時に、日本の技工業界だけにとらわれず、外の世界に目を向けた経営を模索しているのかもしれません。

向上心のある多くの歯科技工士に学びの機会を

これらの結果をみると、多くの技工士たちが技術向上のために講習などを受け、学んでいると思われるかもしれません。ですが多くの技工士(とくに自営者)は、学びたいという意欲があるにも関わらず、日々の仕事に追われ、学ぶ機会が少ないのが現状です。技術向上の機会を増やし、良質の技工物を安定供給することは、今後の歯科医療界にとっても大きな課題となるはずです。

多くの技工士が抱える低賃金・長時間労働の余波は、こうした技術面での妨げともなっています。歯科に関する医療改革が成されれば、こうした問題を解決する一手となるかもしれません。