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「世界で最も患者が多い病気」としてギネスブックにも認定されている歯周病。「日本人の7割が歯周病」というキャッチフレーズもあり、日本国内でも歯周病の罹患率は非常に高い。

歯周病は、「サイレント・キラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれる。罹患しても痛くも痒くもないが、糖尿病や誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産といった諸疾患を引き起こすことから名付けられた異名だ。

つい先日も、歯周病がアルツハイマー病と関連しているという論文が、世界で最も権威のある学術雑誌・Scienceに掲載され、話題を呼んだ。

超高齢社会と残存歯数の増加に伴い、歯周病に対するソリューションのニーズも高まっており、今後ますます注目される領域になることは間違いない。

スマホで歯周病を発見するAIが誕生

東北大学とNTTドコモは、歯周病を検知するAI(人工知能)を共同で研究・開発することを発表した。

スマホで撮影した歯肉の色調・形態から、歯周病を検知する仕組みだ。手ブレや周囲の明るさなども修正でき、ユーザーは空き時間に歯周病のリスクを把握できるようになる。

東北大学は口腔疾患の専門的リソースや症例データを提供し、NTTドコモはAI技術を提供する形でコラボを進めていく。

2019年春から本格的に共同研究をスタートさせ、2022年の実用化を目指している。

開発の背景には「歯科医院の低い受診率」

今回の取り組みが始まった背景には、歯周病検診の受診率が4.3%(※1)と非常に低いという課題がある。

歯周病はう蝕とは異なり症状を感じにくく、重症化してから歯科医院を受診するケースも少なくない。

日常の生活シーンで活用できる歯周病発見AIのプロダクトを国民に広めることで、歯科医院への受診を促す狙いがあるとみられる。

東北大とNTTドコモは、2022年度を目処に歯周病のみならず、顎関節症や口腔がんなどの歯科領域の他の疾患にも応用していき、実用化・商用可を目指していくという。

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参考文献

  • 厚生労働省『平成28年歯科疾患実態調査』2016.
  • 矢田部尚子,古田美智子,竹内研時,須磨紫乃,渕田慎也,山本 龍生,山下喜久『歯周疾患検診の推定受診率の推移と その地域差に関する検討』口腔衛生学会雑誌,Vol.68,No.2,pp.92–100,2018.