開業当初から話題となった宿泊施設「変なホテル東京 羽田」に併設する歯科医院がある。『AI和合クリニック』は、AIやロボティクスを駆使しながら、最新鋭の医療サービスの提供を目指している。

院長の下川穣先生は、「歯科衛生士が全身のヘルスケアを支える時代が来る」と話す。歯科衛生士という仕事、そして歯科医療の未来についてーーそのビジョンを取材した。

細菌 × 歯科で全身のヘルスケアを支える

ーー「細菌」×「歯科」というキーワードが印象的です。

私たちの身体には、何兆個もの細菌がいます。細菌が、身体的にも精神的にも、健康を司っている。「歯が痛い」「歯がグラグラする」といった症状は、身体全体の文脈のなかではごく表面的な話に見えますが、実はそうではないことが最新の研究によって明らかになりつつあります。

例えば、私たちは毎日、唾液と一緒に歯周病菌を大量に飲み込んでいます。体内に取り込まれた歯周病菌は腸に届き、それによって腸内環境は変化します。腸内の菌のバランス(フローラ)が乱れることで、免疫機能や精神的なバランスにも影響を及ぼします。

ーーその文脈では歯科医療が大きな役割を果たしそうです。

ちゃんと口腔内のケアをしている人としていない人では、腸内フローラも違ってきます。口腔内をキレイに保つことは、全身的な健康と切り離せないのです。

歯科は他科と比べてもマイナーな分野ではありますが、全身の健康維持の根本的な部分を担っている、非常に重要な分野です。なかでも、患者さんの口腔内を専門的にケアする歯科衛生士業務は、これからさらに大きな役割が求められていくと思います。

下川穣(AI和合クリニック・医療法人癒合会)

歯科衛生士もコンサルテーションに入る

ーー「全身のヘルスケア」のために歯科衛生士業務があるということですか。

当院には医師・看護師も駐在しており、必要に応じて口腔内や腸内の細菌のバランス、血液の状態、ゲノムなども検査し、患者さん一人ひとりに合ったソリューションを提案しています。

検査を元にしたコンサルが当院ではとても重要で、歯科衛生士さんにも仕事としてやっていただいています。

ーー具体的に、どのようなコンサルテーションを行なっているのでしょうか?

むし歯にならない人は、唾液が強いか菌層のバランスが良いかのどちらか。通常の歯科衛生士業務は「殺菌」にベクトルが向いていますが、当院では悪玉菌を殺菌したのちに、その人に必要な善玉菌を加菌していく方針を取っています。

唾液の質などの遺伝的な要因は変えられませんが、環境要因は変えられる。だから、すべての患者さんを理想的な菌のバランスに変えていくことを目指しています。

辞める寸前だった歯科医師の仕事

ーー先生とAI和合クリニックとの出会いを教えてください。

実は、ずっと歯科医師という職業が嫌でした。ベルトコンベアの上で働いている気分になっていましたし、業界の人と会話していても面白みを感じられなかった。実際に他の職業を模索していた時期もありました。

一方で、医療人として何も成し遂げないことにも未練も抱えていて、もしここで辞めてしまったら、「戦ってもいないのに負けた」ような気もしていました。そうしたモヤモヤした気持ちにずっと苛まれていた時に、縁があって当院を紹介されました。

ーー今は、仕事は楽しいですか?

近年は、当院で行なっている治療を裏付けるエビデンスがどんどん発表されていきており、面白くなってきたところです。ようやく、歯科医療人としての仕事の「意義」を感じられるようになりました。

下川穣(AI和合クリニック・医療法人癒合会)

職場としてのAI和合クリニック

ーーAI和合クリニックは、職場としてはどのような環境ですか?

一般の歯科医院では経験できない仕事も多く、必要とされる知識も多いので、正直に言えばラクをしたい人には向いていないと思います。

でも、今の職場でプロフェッショナルなPMTCができて、ルーペも使いこなしていて、マイクロも使ってみたい、というような頑張っている歯科衛生士さんにとっては、次の挑戦ができる場所だと思います。

ーーAI和合クリニックで働く上で、必要なことは何ですか。

常に新しいことを学んでいかなければならないので、積極的に新しい知識を受け入れる「素直さ」が求められる現場だと思います。とはいえ、ガリ勉を強要する環境でもないので、定時で帰れることが大半です。メリハリが大事ですね。

歯科医師・歯科衛生士といった職種に囚われず、患者さんの健康を作る医療人として、医師・看護師を含めたチームで診療に携われる環境は素晴らしいと自負しています。興味ある方は、まずは見学にお申し込みください。

下川穣(AI和合クリニック・医療法人癒合会)

注)本記事は、医療法人社団癒合会による提供記事です。