歯科医師国家試験セミナー・イベント

歯学部の悲惨な状況、知っていますか?

歯科医院を経営されている先生の中にはできれば将来子供に事業承継させたいが、現在の母校や他の大学の状態をみると歯科医師になれるかどうかが心配だ、という方もいらっしゃると思います。

国公立大学ですら30%弱は6年で歯科医師になれない時代です。私立大学の状況は20年前とはかなり変化しました。偏差値は最上位から最下位までで20ほど開いてしまいました。最下位は定員割れの影響もあり偏差値35程度です。受験するとほぼ合格という大学もあります。

6年間ストレートで歯科医師になれる確率が30%を切る私立大学は2018年のデータで5校、実は50%を越える大学は4校しかありません(表1:最低修業年限での歯科医師国家試験合格率)。

表1

最新データに関してはブログ『(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集』で取り上げています

留年や休学の割合が恐ろしい数字に

国家試験ばかりに目がいってしまいますが、留年や休学の割合が恐ろしい数字になっている大学もあります(表2:歯学部(歯学科)における留年・休学者の割合)。

低学年での留年を繰り返し早々と退学というパターンも増加していますが、まだこれは次の道を早く模索できると言う意味では幸福かもしれません。

なんとか卒業できたが国家試験に何回も失敗している状況だと年齢も年齢ですし、国試を後パスさえすればということで次の道への踏ん切りがなかなかつきません。

すでに国試8浪以上は全国で100名程度存在しており国家試験合格率は3%程度です。最近では6年生で留年を繰り返して退学になった場合、特殊な試験に合格できれば再度6年生に戻れたり、他大学に編入したりする制度があります。

そのために予備校に通う学生もおり、一体歯科医師になるために幾らかかるのか何年かかるのか、いや結局なれるのか?という地獄が展開されている場合もあります。

表2

最新データに関してはブログ『(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集』で取り上げています

基礎学力とは「国語力」である

こういった学生に何が欠けているのか?私の大学教官時代の経験を元に考えると、最も重要な基礎学力は国語であると思います。

え?国語なんて受験科目にないけど?と思われたかもしれません。受験科目の問題ではないのです。偏差値がかなり低くなると国語、即ち日本語の能力自体が怪しくなってくるのです。

成績不良の学生から質問を受けた際、よくあるのが問題文の読解力不足です。国家試験の臨床実地問題では問題文を出題者の意図に沿って読むことが必要です。勿論大学の定期試験でもそうでしょう。

しかし、彼らは出題者の意図以前に日本語を読み違えてしまいます。「てにをは」で文章の意味は大幅に変わるわけですが、自分の都合良く勝手に日本語を組み替えて読んでしまうため、答えが正答から遠いものになってしまうのです。

この文章からこういう条件aが読み取れるから、というのが彼らは謎の条件bを設定しているので、なぜこの答えにならないのか?を教えても前提条件が違うので全くかみあわないのです。

日本語が通じない歯学部生

また、彼らは行間を読むこともできないのでストレートな解釈に終始します。

例えば、歯学部のカリキュラムは解剖などの基礎系が入り始めると急に厳しくなってきますが、受験生にそう説明すると、「物理選択者は不利って事ですか?」と聞かれたりします。

そういう問題ではないですよね?高校全般の基礎学力はあるに越したことがないですが、物理選択者が不利とかそういう問題ではない。

日本語がどこか通じないのです。

国語能力は全ての基礎です。当然です。母国語である日本語の能力ですから。しかし、下位私立に入学してくる学生のある程度は国語能力に問題があります。

読むことすら怪しいので書くのはさらに苦手です。たまに定期試験で筆記試験を出すとほぼ全滅です。なんとか書いてあっても日本語が崩壊しており、意味がよくわからなかったりします。

国語能力をまず鍛えよう

偏差値的に下位私立歯学部しか選択肢がなさそうな場合、子供さんとの会話や文章のやりとりで国語能力に不安を感じるようなら危険サイン。定員割れしているからといって入学させてしまうと後で大変な事になる可能性もあり得ます。

なかなか論理的な長文のやりとりを子供とする、と言うことはないかもしれませんが1度書いてみて貰うのもいいかもしれませんし、小論文対策などで子供さんが書いた文章を読んでみてもいいかもしれません。

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